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日本のワラ文化 |
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・かつて、私が小学生の頃までは当地方でも冬になると藁を使って縄をなう光景が見られました。
また、藁製品が生活に密着していたように思います。例えば、ご飯は釜で炊き藁を編んだ飯櫃(メシビツ)入れで保温し、あるいは雨合羽としての蓑も使用されていました。
また”藁すぐり”をした後のいわゆるハカマの部分は牛の飼料や、「ワラ布団」と呼んで母が布団の中にワラを詰めていたのが目に浮かびます。敷布団のしたに敷くマットレスですね。
当地方のように寒い土地では、冬はこれが暖かかった・・・・。
・このような風土・文化でありましたから、稲刈りなど現在のような経済性一本槍でなく収穫としてのお米はもちろんですが、副産物の稲ワラも「一本も無駄にしない」教育をされたものです。
・現在、全国的にこのワラ文化は衰退の一途であると思います。
昔のような活用はできないとしてもまた別の形で活用しリサイクル文化に貢献するものとして活躍できるはずです。
現在、保存会などを作ってワラ工芸品の技術継承を行っている地域がいくつかありますがいずれも職人は高齢の方が多く、やはり若い人への伝承が課題であると思います。
・私も小学校の注連飾り作りの授業に講師としてお手伝いをさせていただきましたが子供のこうした体験も文化の伝承の面で意味のあることですね。
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ワラ工芸の方向とワラ文化伝承 |
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・これまでの実用本位の藁利用は今後は少ないかもしれませんね。
しかし、庭の添景物や例えばバスケットなど自然の素材が温もりを感じさせてくれるような気がします。
藁の素材を活かし、庭の景観のなかにそれを配置できたら・・・それが私の目指すところです。創作藁工芸ですね。
そのなかで歴史のある工芸品とともに、藁文化を伝承して行かれたらと思います。
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藁の基 稲について |
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稲は種まきから刈り取り乾燥まで数ヶ月を経て稲藁となります。
幹に当たる部分が「カン」、ここが縄や生活用具になりました。
葉に当たるところが「ハカマ」、スベ布団の中身はこれ。なべ敷きなどもあんこにここを使います。穂の部分が「ミゴ」
藁細工はこのハカマをすぐった「すぐり藁」を使います。 |
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